土砂災害危険情報アプリ
「どしゃブルJr.」は、リアルタイムの雨量情報である国土交通省のXバンドMPレーダ雨量情報(以下、「XRAIN」といいます。)と、これに基づき算定した土砂災害の発生と関係のある「どしゃブル雨量指数」などを地図上に表示するアプリです。
「どしゃブルJr.」は、京都大学防災研究所竹林洋史准教授の助言を受けて、パシフィックコンサルタンツ株式会社が企画、研究・開発を行い、株式会社ラピュールがアプリの制作を行っています。
【主な機能】
  • 背景地図は、地理院地図(地理院タイル)の標準地図、航空写真から選択が可能
  • 国土交通省から国土数値情報として提供されている「土砂災害危険箇所」情報を表示
  • XRAINによる降雨強度を色分けしたメッシュで表示
  • 過去1時間分のXRAINの情報を巻き戻して表示
  • XRAINメッシュの濃淡の調整が可能
  • 表層崩壊や土石流の発生と関係のあるどしゃブル雨量指数をランクごとに色分けしたメッシュで表示
  • 避難モードは、指定緊急避難場所・指定避難所を表示
  • 避難モードは、現在地(GPS情報と連動)または登録した地点から直近3箇所の避難所までの距離を表示(GPSとの連動は、端末設定で「GPS自動追従」機能をオンにしている場合のみ)
  • 国土交通省から国土数値情報として提供されている避難施設データの諸元を表示
  • XRAIN、どしゃブル雨量指数の凡例を表示(ON/OFF切り替え可能)
  • 住所の入力で地点の検索が可能
※XRAINメッシュ、どしゃブル雨量指数、土砂災害危険箇所情報などは、表示する拡大率が設定されており、拡大率により表示されない場合があります。 それぞれが表示される拡大率は以下の通り。
  • 雨量情報(XRAIN):ズームレベル6~16
  • どしゃブル雨量指数:ズームレベル6~16
  • 土砂災害危険箇所:ズームレベル11~16
  • 指定緊急避難場所・指定避難所:ズームレベル14~16
「どしゃブル雨量指数」とは、本アプリにおいて独自に開発した表層崩壊や土石流の発生と相関関係のある指数であり、過去の複数の土砂災害現象に対して、その発生との関連を確認できています。また、各都道府県が調査した土砂災害危険箇所、地形の最大傾斜角の情報と重ね合わせることで、土砂災害発生との相関が高くなることが確認出来ています。
「どしゃブル雨量指数」とは、土砂災害警戒メッシュ判定情報などで使用される土壌雨量指数の第1タンクと、60分累加雨量の合算値です。土砂災害の発生率は、「どしゃブル雨量指数)がある閾値に達した地域において高くなることから、下記の閾値により色分け表示されます。
「どしゃブル雨量指数」及び土砂災害の発生との関係については、以下の論文を参照してください。
土木学会論文集B1(水工学)Vol.72,No.4,I_1285-1290,2016.
【論文概要】
多発する土砂災害から住民自身の自発的な危険回避行動により迅速・的確な避難行動が行える情報提供サービスを構築するために,既存情報であるXバンドMPレーダの降雨強度平面分布時系列データを用いた土壌雨量指数や,土砂災害危険箇所,地形の最大傾斜角情報を統合した土砂災害危険度判定方法を開発するとともに,土砂災害発生可能性のある場所のユーザに直接情報提供を行う土砂災害危険情報サービスを開発した.また,開発した土砂災害危険度判定結果は,平成27年9月の関東・東北豪雨時に栃木県で群発した土砂災害発生状況などと比較し,危険度判定法の適用性を確認した.
土砂災害危険情報サービスによる判定結果と土砂災害発生実績の比較検討
土木学会論文集B1(水工学) Vol.73, No.4, I_1363-I_1368, 2017.
【論文概要】 住民一人一人にその時,その場所での土砂災害の危険性を直接通知する土砂災害危険情報サービスの土砂災害危険度判定について,実際の土砂災害の発生と危険度判定の実績から,その的中率(災害発生率),見逃し状況などを既存の方法と比較検討を行うとともに,空振り率,判定時刻と発生時刻の差について検討し,その有効性について確認した.2014年広島豪雨,2015年関東・東北豪雨,2016年の熊本地方の豪雨について気象庁による土砂災害警戒判定メッシュ情報と比較して,その判定区域が絞り込めていること,災害発生予測率が高いことを確認した. 土砂災害発生時刻と判定時刻を比較し,判定が避難に必要なリードタイムを確保できていることを確認するとともに,土砂災害発生に対して危険度判定のあり・なしを確認し,見逃しはあるものの80%以上の災害を判定できていることを確認した.

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